フジサンケイビジネスアイ 2017年12月4日(月)掲載

【エコスタイルのエコBiz】再生エネを生かす電力事業

持続可能な循環型社会に寄与

ガソリン・ディーゼル車禁止の方針を打ち出す国が増える中、9月に開催されたドイツ・フランクフルト国際自動車ショーでは、電気自動車(EV)へのシフトが鮮明になった。

EVの販売台数は欧州、北米を抜いて中国が最大だ。深刻な環境問題を背景とした規制が後押しした結果である。内燃機関から蓄電池への転換は技術的な参入障壁を低下させ、異業種から続々と参入。世界中でEVへシフトする流れはさらに加速しそうだ。

一方で環境問題の観点からすると、EVの普及だけでは根本的な解決にならない。日本では温室効果ガスの40%弱は電力業界から排出されている。電気を作るのに多くの温室効果ガスが排出されているわけだ。

温室ガス削減具体化

日本のエネルギー政策では2015年7月に、30年に向けた電源構成が設定され、原子力発電を20~22%、再生エネを22~24%を目安にするという数値が示され、原発の再稼働と再生エネの普及で温室効果ガスを削減する方向性が示された。

さらに昨年、フランス・パリで開かれた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で、30年度時点で温室効果ガスの排出量を13年度比26%削減という目標を掲げた。パリ協定は温室効果ガス排出量の多いインド、中国のほか、新興国なども参加したことで意味あるものとなったが、世界各国で環境問題に対する意識が高まるにつれて実効性を伴った問題解決策が必要となってくる。

国内では12年7月に施行された固定価格買い取り制度(FIT)で太陽光発電を中心に再生エネ電源の普及は一気に加速したが、電源構成の目標数値達成には不十分な状況だ。

それと並行して電力業界では電力システム改革が本格化、現時点で400社を超える電気事業者がライセンスを取得している。しかしFITは再生エネ電源のさらなる普及と国民負担の軽減という大義のもと、何度も変更(特に新電力にとって調達コストである回避可能費用の算定方法が変更)された。そのたびに新電力にとって「FIT電源は使いたくない電源」になってしまった。

新規参入者にとって、長い時間と多額の資金を投入して大規模発電所を設置することは非現実的であり、電源を多く持たない新電力にはFITを利用した再生エネ電源の建設が数少ない電源確保の道だ。しかし現行のFITを供給力確保に利用するインセンティブは完全に薄れてしまっている。

そもそもFITは電源の開発に主眼が置かれた制度であり、発電した電気を電力系統に流すこと、つまり売電がゴールだ。その電源をどのように活用するかというストーリーは問われない。

自由化とセット

再生エネ電源の普及は電力自由化とセットで進めるべきで、新電力が地域電力などで積極的に再生エネ電源を活用したいと思える制度や環境を整えなければFIT終了後の再生エネ電源のさらなる普及は見込めない。

そうした中、エコスタイルは独自の技術とアイデアを生かして、再生エネとエネルギーの効率的利用の仕組みの普及を目指して、太陽光発電設備の自家消費を提案。また地域固有の資源を活用した再生エネ電源を開発し、そこから発電される電気を分散電源として活用。地域のエネルギーコストを削減することで、持続可能な循環型社会の構築に資する提案を進めている。
(中島健吾 取締役電力事業部長)

太陽光発電事業などに取り組むエコスタイルが描く再生エネ普及のシナリオを追う。

プロフィル:中島健吾

なかしま・けんご 1991年横浜市立大商卒。外資系証券会社や信託銀行などを経て、2015年エコスタイルに入社し、取締役。48歳。島根県出身。

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