フジサンケイビジネスアイ 2018年1月8日(月)掲載

【エコスタイルのエコBiz】太陽光発電 売電から自家消費へ

脱FITの最有力モデル

再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)における太陽光発電の売電単価は、2012年7月の開始時点で1キロワット時当たり40円(税抜き)だったが、毎年見直しが行われ18年度は20円を下回ることがほぼ確実と思われる。

売電単価の下落を受けて、太陽光発電業界では“電気は売るから使う”へシフトするといわれている。つまりFITを活用した売電から自家消費へのシフトが起こると予想されている。

単価と量 ダブル削減

最大のポイントは売電単価が、消費者が購入する電気料金の単価を下回るということである。料金単価は、電力会社との契約内容や電気の使用パターンによって異なるが、高圧業務用(工場などの産業用以外)であれば平均20円程度(燃料費調整前)で電気を購入している。この場合、発電した電気をFIT単価で売電するより、自ら使用した方がメリットは大きくなる。

太陽光発電設備の販売と施工で成長してきたエコスタイルは、16年4月の完全自由化のタイミングで電気の小売事業に参入し「エコスタイルでんき」を販売。17年度からは有力な脱FITモデルとして、自家消費する太陽光発電設備の導入とエコスタイルでんきの契約をセットにした「太陽でんき」のサービス提供を事業者向けに始めた。

消費者は、電気の購入先をエコスタイルに切り替えることで単価削減に加え、太陽光発電の自家消費導入による購入量削減という“単価と量のダブルでの削減効果”で電気料金を大幅に下げられる。これにより電気料金の削減分を原資とした場合の太陽光発電設備導入費用の償却期間を短縮。さらに償却終了後は大幅な電気料金削減効果を長期にわたって享受することができる。

値上がりヘッジ効果

太陽光発電の自家消費導入メリットは、現時点の電気料金削減効果以外にも、将来における電気料金の値上がりに対するヘッジ効果がある。今後、原発の廃炉費用が託送料金に反映されることが決まっているが、これは電気事業者にとって単純に固定費の増加であり、電気料金に転嫁することになろう。

また、消費者はFITにより電気料金の一部として再生エネ賦課金を支払っているが、これは再生エネが普及するほど単価が上がる仕組みになっており、負担が増加するのは確実だ。これらの費用は、送配電線から送られる電気を購入することで請求されるので、自家消費で自ら発電した電気を使用すれば不要になる。

太陽光発電の自家消費導入は環境貢献としてCSR活動にもつながる。屋根に設置した場合には断熱効果も期待できる。また非常用電源としても利用できるなどメリットは多い。

エコスタイルは、消費者に太陽光発電の自家消費導入によるコスト削減と環境貢献の効果を実感してもらうための見える化システムを無償提供している。また、温室効果ガスの排出削減量を国が認証する「Jクレジット」を活用して自家消費による環境価値を具現化し、それを還元する仕組みを併用するなど、FITに頼らない太陽光発電の普及促進を後押ししている。
(中島健吾 取締役電力事業部長)

プロフィル:中島健吾

なかしま・けんご 1991年横浜市立大商卒。外資系証券会社や信託銀行などを経て、2015年エコスタイルに入社し、取締役。48歳。島根県出身。

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