フジサンケイビジネスアイ 2018年1月29日(月)掲載

【エコスタイルのエコBiz】クラウドファンディング 日本でも増加

地域資源で潤い 再生エネ推進

起業家らの「こんなことをしてみたい!」を実現するための資金調達手段として「クラウドファンディング」が米国を中心に広がり始め、日本でも増えてきている。

クラウドファンディングとは、インターネット上のシステムを介して不特定多数の人から資金を募る手法で、資金調達が難しかった案件でも実行可能性を高めることができる。今後、機関投資家などからの資金調達に代わる有効な手段になっていくと思われる。

3種類の形態

形態としては「寄付型」「購入型」「投資型」の3種類に分けられる。

寄付型は、ウェブ上で寄付を募るものでリターンは求めない。購入型は、出資の見返りとして実際に作成された商品やサービスを得ることができる。

投資型は、さらに「貸付型」「事業ファンド型」「株式型」に分けられ、出資に対してリターンを明確に求める。リターンを求めるということは当然、損失の可能性があるということだ。また、投資型では、事業者が資金の募集活動を行うにはそれぞれの形態に応じてライセンスが必要となる。

エコスタイルは第二種金融商品取引業者のライセンスを取得して「エコの輪クラウドファンディング」を運用している。これは、太陽光発電事業を出資対象とした投資型ファンドで、2017年12月時点で開始以来5億7570万円、延べ502人から出資を集めた実績をもつ。

現時点では、再生可能エネルギーの「固定価格買い取り制度」(FIT)で売電する太陽光発電事業への出資という形態になっている。発電所を建設・保有して発電事業者として事業収益を得るのに対し、比較的少額の投資資金で出資額に応じたリターンを得ることができる。

一方で、エコスタイルが推進している再生エネを普及させる活動やエネルギーの効率的な利用に関わる投資において、FIT終了後にはクラウドファンディングがより重要なツールになることは間違いない。

活性化へ好循環

具体的には、地域に潤いをもたらす地域電力スキームとして、地域固有の自然資源を活用した再生エネ発電所を建設。その電気を地域で消費することで地域のエネルギーコストを削減する。その際に、発電所の建設や蓄電池などの設備を導入する費用などを、地域住民や地域を応援する人、企業からクラウドファンディングにより調達することが想定される。

ファンドへの出資者は発電事業などから得られるリターンを享受する一方、地域全体に資源と資金の循環をもたらし、クラウドファンディングが地域ぐるみでその地域を活性化させる活動を後押しする潤滑油となる。

また、自然エネルギーから発電する設備を導入することで大規模災害時などの対策にもなる。環境貢献はもちろん、結果的にクラウドファンディングを活用した地域電力事業が地域のバリューアップを達成することにつながる。本当に必要とされている資産へ資金を届けることこそが、クラウドファンディングの真骨頂である。
(中島健吾 取締役電力事業部長)

プロフィル:中島健吾

なかしま・けんご 1991年横浜市立大商卒。外資系証券会社や信託銀行などを経て、2015年エコスタイルに入社し、取締役。48歳。島根県出身。

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