フジサンケイビジネスアイ 2018年2月12日(月)掲載

【エコスタイルのエコBiz】電力の安定供給に地域電力活用

循環型社会で地域を潤す

2016年4月から電気の小売り完全自由化がスタートした。電力業界の自由化は15年以上前の00年からスタートし、規模の大きな需要家から段階的に供給対象が緩和され、16年4月の完全自由化に至ったが、依然として大手電力会社が90%以上のシェアを占めている。その間の11年に起きた東日本大震災で、電力システム改革の意味も見直され、自由競争による事業機会の提供と消費者の選択肢拡大に加え、電気の安定供給が重要な要素として加わった。

小売り完全自由化のタイミングでは、異業種からの参入や地域電力として新たに立ち上げた企業などが多くあった。現時点で400超の事業者がライセンスを取得している。

予測をシステム化

電気の流通の仕組みの中で、電気の特性から消費者への供給量とそれに必要な調達量を30分単位で一致させる同時同量の業務があるが、その業務を直接行わなくても事業が行える仕組み(バランシンググループ、BG)が用意されたことが参入障壁を大きく下げることになった。

エコスタイルもBGを活用して17年10月、新電力事業の立ち上げから日常の業務までフルパッケージでサポートするサービスを開始した。このサービスでは、新電力事業特有の電力市場の価格変動リスクなどをエコスタイルが肩代わりし、しかもわずかな手数料で受けられる。

電気の流通に不可欠な予測技術をシステム化し、消費者が消費する電気の量や不安定な太陽光の発電量などを、過去の実績を自動学習する機能を活用して毎日自動的に予測しており、技術とアイデアに裏付けられたサービスである。

持続可能社会の基礎

一方で、電気は誰が供給しても品質が変わらないことから差別化が難しく、価格競争に陥りやすい。結果的に、小売り電気事業自体は単純に電気の販売だけを手掛けようとするとリスクが高い割に利益が薄いというハイリスクローリターンの事業となってしまう。

地域電力にとって電気を販売するだけでは単にリスクの高い事業を行っていることになり、目的が十分に達成できない。むしろ地域固有の自然資源を生かした再生エネの電源開発や、安定供給に資する常時、非常時における電気の利用方法の仕組みを作っていく方が重要だ。そのため、新電力事業特有のリスクを負担する必要がないエコスタイルのBGスキームは地域電力に適しているといえる。

地域電力事業が未利用の自然資源をエネルギーに変えて利用することによる経済効果や、省エネの仕組みを導入することによるコスト削減効果は大きい。さらに地域に根差した電源開発で災害対策に貢献する資産産出などの効果もあり、結果的に地域電力事業そのものが地域の中で資源と資金が循環する持続可能な循環型社会構築のベースとなり得る。今後はその役割が大きくなることが期待される。

エコスタイルは電源開発、新電力スキーム、自家消費などの省エネ提案、Jクレジットによる環境価値創造、クラウドファンディングを活用した資金調達といった機能を提供。地域電力の普及を支え、環境貢献や地域活性化を後押ししていく。
(中島健吾 取締役電力事業部長)

プロフィル:中島健吾

なかしま・けんご 1991年横浜市立大商卒。外資系証券会社や信託銀行などを経て、2015年エコスタイルに入社し、取締役。48歳。島根県出身。

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